2007年2月号

SOJIROファンクラブ知床ツアー日記

2月4日(日)

この冬の女満別空港は、欠航がいつもより多い。
12月だけでも4〜5日はあっただろうか。
羽田からのフライトが、無事に女満別空港に到着出来るのかどうかを心配していた。
前日までのフライトは、無事到着できていたとのことなので、
我々の便も無事に着けば、と祈る様な気持ちでいた。

僕が乗ったのは3便だが、もしも女満別空港の天候が悪かったら
羽田空港へ引き返すという条件付きで出発した。
1時間半後に女満別空港に近づいて着陸を試みたが、
視界不良で1度目は断念。
10分後にもう一度様子を見てトライしますとのアナウンス。

僕の前の便に乗り込んだファンクラブの皆さんの飛行機は
無事着陸出来たのだろうか?
同じく条件付きで飛び立った筈だ。
どうなったのだろうか、、そのことも心配していた。

10分経った頃、「視界が少し良くなったのでトライします。」と機長の声。
着陸直前まで、地上の様子が見えないくらいの厳しい条件だったが、
無事、着陸出来た。

到着口に向かう途中で、2便は羽田に引き返していた事がわかった。
女満別空港の上空で、1時間から2時間近く待機して
天候が良くなるのを待っていたにもかかわらず、
羽田に戻ることになってしまったらしい。
とっても残念だ。

夜になれば天候も回復するという天気予報は出ている。
一度は羽田空港に戻ったものの、
「 夕方の便で再び女満別空港行きに搭乗することが可能です」
とのアナウンスが航空会社よりあり、
もう一度トライするという人が殆どだった。

皆さんのパワーが、遠く離れた僕のところまで伝わって来るようだ。
さすが、冬の知床に行こうと意を決して
参加して下さっている人たちだなぁと思った。

一旦、僕は斜里の知人宅まで到着していたのだが、
心身ともにたいへん疲れている中、
本日2度目のフライトにチャレンジしてくださった
ファンクラブの皆さんのことをお迎えしようと
網走に引き返すことにした。

このような状況なので、ツアーのスケジュールは変更を余儀なくされた。

急遽、夕食をセッティングして頂いた網走市内のお寿司屋で待っていた。
無事、飛行機も着陸して、それから約1時間後、僕らの待つ
お寿司屋に着いた皆さんは、疲れた顔も見せず、
とてもとても元気な姿を見せてくれた。

ホッとした。
ずいぶん疲れているのでは、と思っていたのに、
こっちまで元気になってしまった。
本当に皆さんにエネルギーをたくさん頂いた様な気がした。

それからホテルまで1時間半の道のり。
何とか、その日のうちに到着出来た。
2月5日(月)

朝から抜ける様な青空。
みんな感嘆の声。
こんな素晴らしい青空は中々見られない。

その前にひとつ気になっていたのは流氷のこと。
僕の泊まったホテルから海を眺めると、朝のうちは
白いすじが横一線に入っていた。
確かに近くまでやって来ている。



ホテルからバスでみんなと同行。
知床自然センターへ向かった。
途中、道路脇ではたくさんの鹿が見られた。
冬毛の生えそろった、グレーの鹿たちだ。



周りの山々は一面真っ白。
空は真っ青。
雄大な山々を眺めながら、自然センターに着いた。

センターでは「知床の四季」の映像を見せてもらい、
その後、外に出て、フレペの滝に向かう道路の途中で
オカリナの生演奏を聴いてもらった。
やはりここではF06管で凪。
G05管で糸紡ぎ歌。
C04管で北の海に死す鳥の歌。
そしてC01管(ピッコロ)で水心を吹いた。



それぞれの響きを充分に味わって頂けたと思う。
その後は皆さんとツーショット写真も撮った。
23人の方々なので、ちょっと時間もかかった。

また、すぐそばにある100平方メートル運動の拠点になっている
ハウスの中でも演奏してみた。
木造りの建物なので、反響はありすぎるくらいだ。

お昼までの時間をみんなでゆっくり過ごし、
知床自然センターの中で昼食を共にした。
友人の佐野さんが訪ねてきた。
港でクリオネを捕まえてきたと言って、
流氷の天使をみんなに見せてくれた。
これも感激。

みんなの心が和んでいる感じだ。
昨日のたいへんさなんて、どこかに吹っ飛んでいる。
来れて良かったねという安らぎの表情が伺えたので、
こちらも本当に良かったなぁと思った。

午後はオーロラファンタジーの会場でもある宇登呂港へ行った。
この時期、本当は真っ白な流氷が押し寄せて、もちろん対岸の海も
流氷で真っ白になっている筈なのに、流氷は遠くにしか見えない。
地元の人が沖に浮いていた流氷を引き上げて、流氷神社を造っていた。
せっかくだからここでもみんなで写真を撮ろう!!




ゆったりと時間を過ごして、一旦、ホテルへ戻った。
気になる流氷は大きな塊となって海岸線に近づいてきた。




19:30オーロラファンタジー会場入り。
「宗次郎さん、流氷が港にビッシリ詰まっているよ!!」
スタッフの人からいきなり言われてビックリ。
リハーサルのときは波しぶきがあがっていた港の中が、
流氷で覆い尽くされていた。
反対側の岸にも、流氷が接岸しているというではないか!!

かなり神懸かりな出来事だ。
本当、神様が流氷を連れてきてくれたんだなぁ。
ここに集まってくれた数千人の人たちのために。
みんなで感動していた。




町の中の温度計はマイナスにはなってなかった。
こんなにあったかいのは初めてだ。
本番の演奏もかなり良い演奏になったと思う。
10年前と違って、気温があまり下がっていなかったのと、
風にも吹かれなかったからだ。
レーザー光線も一段と良い出来だったのではないかと思う。
風が無いので、照明効果用のスモークも流されず、理想のけむりだった。
短いコンサートだったが、演奏が終わっても、
感動に浸っている感じが伝わってきた。

海の神様に助けられたんだなぁ。
そう言えば、知床の世界遺産は”豊かな海”が
半分以上だったよなぁ、確か、、。


つづく
(次回7月に予定している尾瀬ツアーをご期待ください)